ロードレーサーの1年間(オフシーズンと準備期間)

【初心者のためのヒント】【期分け・練習計画】2011年11月3日 17:06

ロードレースのシーズンは、そろそろ終わりに近づいています。人によってはもうオフシーズンに入って、厳しい練習をせずに少し自転車から離れて別のスポーツをしたり、レースシーズンにはできないサイクリングのような景色を楽しむような走り方を始めている人もいます。個人差はもちろんありますが、だいたいのロードレーサーは、次のような感じで1年間を組み立てています。

 

オフシーズン

■最重要レース終了後、オフに入る

まずオフシーズンです。オフシーズンに入る時期は、人によって違いますが、だいたいは自分がいちばん目標としているレースが終わったら取る人が多いようです。例えばヒルクライム(山をひたすら上るレース)のアマチュア最高峰の大会である「乗鞍ヒルクライム」を目標に頑張っていた人は、8月末の大会が終了後、しばらくオフを取るケースが多いでしょう。また来週末に行われるホビーレーサー(プロ以外のアマチュア・ロードレーサー)の甲子園と呼ばれる「ツール・ド・おきなわ」に照準を当てている選手であれば、レース終了後はしばらく自転車に乗らずにレースシーズン中にガマンしていたスイーツやラーメンなどを思いのままに食べるかも知れません。

■1週間~2か月間、自転車から離れて心身をリフレッシュさせる

オフの期間は人によっては、1週間だったり2か月だったりまちまちですが、体をしっかり回復させることが何より大切です。オフシーズンの意義は、レースでたまった心身の疲労を抜いてリフレッシュすることです。ロードレース選手は、かなりストイックな人が多いですが、1年に1回はしっかり骨休めすることが、オーバートレーニングを避けて、年単位で少しずつ実力を伸ばしていく上で重要になります。

 

準備期間

■LSDなどで持久力を養成し、高強度練を受け止める土台を作る

オフシーズンが終わると、本格的なトレーニングを始めるための準備に入ります。この時期はロードレーサーとしての基礎である持久力を養成するためにLSDを中心に淡々と長時間(長距離)乗り込みます。この時期にしっかりLSDなどで距離を乗り込むことで有酸素能力を高め、レースに向けて高強度の練習をした時に、それをしっかり受け止めることができる強固な土台を作るのです。この土台がしっかりしていなければ、せっかくきつい練習をやっても体の方が参ってしまい高い能力が体に定着しないことがあります。

■冬に距離を乗り込むほかの理由

冬に長時間(長距離)を乗り込む理由はほかにもあります。それはつぎのようなものです。

レースが近くなると、練習の内容は少しずつきつくなっていきます。普通、練習「量」と練習の「きつさ」は逆の関係にあるので、レースが近づくにつれてなかなか距離が乗り込めなくなっていきます。つまりレースシーズン中は、持久力を維持することはできても、それ以上に上げることはなかなか難しいのです。そこでレースの少ない冬の時期にしっかり長時間乗り込んで、できるだけ持久力のベースを上げておくのです。

また、夏は比較的重要なレースが少ないので長距離を乗り込む時間を作りやすいのですが、暑い時期に長時間走っても低い強度なのに心拍数ばかりが上がってしまい、持久力の養成の意味では効率的ではありません。

こういったことが冬にしっかり乗り込むことが大事な理由です。

■LSDの注意点

この時期の練習にの注意点としては、LSDは練習の特性上、長時間しっかり乗り込まないと余り効果がない点です。ですから忙しくてあまり練習時間が取れない人は、中途半端にLSDに取り組むよりも筋トレや短時間できつめの練習をしたほうが効果が高いといえます。