トレーニングの原則2 「過負荷の原則」「漸進性の原則」「継続性の原則」

【初心者のためのヒント】【期分け・練習計画】2011年11月17日 14:21

昨日は「トレーニングの原則」とは何かということと、7つの原則の名前だけを紹介しました。本日は、その内3つをひとつずつ説明していきます。

 

過負荷の原則(オーバーロードの原則)

■もっと強くなるためには、以前よりも強い負荷をかける必要がある

「過負荷(英語で『オーバーロード』といいます)」というと普段あまり使わない言葉なので少しピンとこないかも知れません。負荷は、トレーニングのきつさや時間によって体にかかるストレスのことです。この負荷(ストレス)という刺激に反応して、体は強くなったり現状維持したり弱くなったりします。「もっと強くなるためには、この負荷を以前よりも強く(過剰に負荷をかけないと)ダメですよ」というのが、この原則のいわんとすることです。言いかえると「毎回、同じような練習を同じ量だけやっていても、現状維持はできても体力アップは望めない」ということです。

具体例をあげましょう。ある人が、時速30㎞/hで1時間連続で走れるとします。この人がもっともっと速くなるためにはどうしたらよいでしょうか。答えは簡単ですね。次からは30㎞/hを超えるスピードで1時間連続で走る練習をする必要があるということです。

 

漸進性の原則

■ゆっくり少しずつ負荷をあげていく

「漸進性」という言葉もあまり日常会話では使わないかと思います。これは「ゆっくりと少しずつ」という意味です。つまり「漸進性の法則」とは「強くなるためにはゆっくりと少しずつトレーニングをきつくしたり時間を長くしたりして、負荷をあげていかなければならない」ということです。トレーニング負荷を上げるとそれに反応して体が強くなり、その負荷での運動が楽々できるようになります。それなのにトレーニング負荷を同じまま練習を続けてもそれ以上体は強くなりません。体のレベルアップに合わせて、少しずつトレーニングのレベルを上げていく必要があるということです。

■長い時間をかけてゆっくり着実に育てた力は失われにくい

ただし、急激に上げ過ぎると、わるくすれば怪我や故障につながります。また短期間でつけた力は、練習をすぐやめるとあっというまに元通りに低下してしまいます。しかしゆっくり着実に長い時間をかけて育て上げた力は、練習をやめても低下するスピードは遅いといわれています。その意味でも本当の強さをみにつけるには「ゆっくり少しずつ」トレーニングのレベルを上げて行くことが重要になります。

 

継続性の原則

■長期的なトレーニング効果がでるまで3か月程度かかる

これはわかりやすいと思います。強くなるためにはある程度の長い期間、練習を続けることが必要だということです。トレーニングの効果があらわれるまでには最低3週間かかります。自分の実力として身に付くような長期的なトレーニング効果がでるまでは3か月程度はかかるといわれています。というのも、「強くなるということ」は「体の筋肉が弱いものから強いものに作り変えられること」といえますが、筋肉(=体のタンパク質)は3ヶ月程度で半分入れ替わるからです。トレーニングが3日坊主で終わった場合は、本当の強さは身に付かないでしょう。

■「継続は力なり」の言葉があてはまる

「持久力」を伸ばすには長い時間がかかるので、その重要性がとても高いロードレースでは「継続は力なり」という言葉が特によくあてはまります。

 

トレーニングの原則とは「当たり前のこと」

今まで3つ説明してきましたが、「なんだ当たり前のことばかりじゃないか」と思われたかも知れません。その通りだと思います。その一方で、いざレースが近くなったり普段の生活が忙しくなったりすると、こういった当たり前のことを忘れてつい無理をしてしまいがちなので注意が必要です。

残る4つは、次回説明します。