■■本場フランスのアマチュアレース第4回「番外編:フランス遠征時の普段の生活」■■

【速くなるためのヒント一覧】2013年9月27日 14:00

本場フランスのアマチュアレース第4回「番外編:フランス遠征時の普段の生活」

Text by KINAN AACA チーム代表 加藤 康則

こんにちは!KINAN AACA チーム代表者の加藤康則です。

本場フランスのアマチュアレース第4回、今回は番外編として「フランス遠征時の普段の生活」について、ご紹介します。これまで同様、体験談形式でお話ししますので、「実際のフランス遠征の日々はどのような感じなのか」の一端を感じてもらえれば幸いです。よろしくお付き合い下さい。

注:このコラムに書く内容は私自身の体験をもとに私の主観に基づいて書いています。また今回の記事の内容は2003年当時の様子であり、経済状況やフランスの自転車事情等、最新のものではありませんのでその点、ご容赦ください。

 

EVREUX(エヴルー)のチーム練習

■「自転車」という共通の話題が、国籍を越えて人と人とを近づけてくれる

今日は自分が所属しているクラブ「EVREUX(エヴルー)」のチーム練習の日だ。毎週水曜の午後と土曜の午前中にレースがなければ、できる限り参加している。

クラブの練習はいろんな人に出会えてとても楽しく、そしてフランス語会話の勉強になる。「自転車」という共通の話題が、国籍を越えて見知らぬ東洋人である僕達をフランス人に近付けてくれる。

■水曜の午後の練習会には大人数が参加

水曜の午後の練習会には、エリート契約している選手や仕事をしていない僕らだけではなく、仕事を持ったおじさんや高校生がたくさん集まってくる。どうやらフランスの水曜の午後は、会社や学校が休みになることが多ようだ。ひょっとすると、バカンスシーズンだからかも知れない。

いちばん多い日には隣町のクラブ員も混ざって30人を越すこともあり、大集団で街のメインストリートを暴走族のように通過していき、後ろには車の渋滞ができてしまう・・・。でもそこはフランス、自転車優先が許される。渋滞などがひど過ぎない限り車はちゃんと待ってくれる。

また一旦街の外へ出てしまえば、車の数は日本とは比べものにならないほど少なく、車の人に迷惑をかけることなく快適に練習できる。

■チーム練習の困ったところ

チーム練習の困ったところは、人数が多すぎてなかなか先頭を引く順番がまわってこないところだ。先頭があまりに遅すぎると、集団の後ろではスリップストリームでまったく練習にならない。

そんなときには、ノルマンディー選手権のチャンピオンでEVREUXのボス的存在であるトニーや、チームのエース格であるフィンランド人のオスカーといった実力者達が、「シクロ・ツーリスト!(日本語でいう、のんびり走る『サイクリング』や『ポタリング』といったニュアンス)」と、後ろでヤジを飛ばしたりする。トニーやオスカーは、このような状況を嫌って、チーム練習の前に一通り練習を済ませておいてから、ダウンがてら顔見せに来ることが多い。最近は僕らもそうしている。

■突然始まるアタック合戦

そうこうする内に、何の決まりも前触れもなしに突然アタック合戦が始まる。

レース日程が詰まっており連戦続きで体調が良くない時などは、アタック合戦が始まってしまうと、悲しいことに地元のおじさんから千切れてしまうことも・・・。

■フランスの選手層の底辺を支える現役を退いたおじさん達

「やたら強いおじさんだな」と思っていたロドリゲスは、なんとその昔にツール・ド・フランスを完走してるらしい。

このように、クラブ練習でプロさながらのトップ・アマチュアと一緒に練習したり、その昔すごかったおじさんから手取り足取り教わったりできる環境で、本場の若手選手は育っていく。

そして現役を退いたほとんどの人たちが何らかの形でクラブに関わりそれがクラブチームにとってかけがえのない宝となっている。

フランスの選手層の底辺はこうして支えられているように感じた。

 

練習後の風景

■レース活動を支えてくれるミミ

練習から帰って来るとミミが一階の事務所で仕事をしていた。ミミはEVREUXチームの運営費の管理を任されていて、ノルマンディー車連の役員でもある。僕らがフランスで活動するにあたってかなりお世話になっている人のうちの1人だ。

突然今年からEU圏外の外国人はアマチュアのすべてのレースにおいて各チーム1人しか参加できないという困ったルールができてしまったのだが、この人のおかげでノルマンディーでのレースに、佐野友哉(後にブリヂストンアンカーでプロデビューする若手選手)とそろって問題なく出場できている。

■練習後のシャワー

練習から帰ると、きまってまずオスカーがシャワーを浴びる。オスカーのシャワーはとんでもなく速いので、全然待たずにすぐに僕、そして佐野の順番となる。佐野はシャワー待ちの間、体調のいい日はいつも軽い筋トレをしている。この順番、年功序列なのか何なのか、僕らの間には、この様な暗黙のルールはこのほかにもいくつか存在する。

■食事の準備

佐野がシャワーを浴びている間に飯の支度、パスタをふたり分ゆでる。オスカーは太るからと言って昼は野菜の缶詰だけだったり、フォマージュブラン(ヨーグルトの様なもの)だけしか食べなかったりする。
僕は料理のレパートリーが少ないのでナポリタンかトマトベースかしょうゆベースの味付け程度しかできなかったが、料理好きの佐野にカルボナーラの簡単な作り方を教わってからはそれを作るのがちょっとしたマイブームになっている。

練習で疲れて、腹もいっぱいになればやっぱり眠くなる。回復のためにも少し横になる。つい最近トニーが僕らのためにテレビを持ってきてくれたので、それを観ながら古びたソファーでうとうとする。

■買い物

週に買い物に行くのは2回。大抵はレースの次の日の月曜日か火曜日(月曜にレースがあったりするので)と週末直前に食材と飲み物を買い込む。

昼間に練習してからになるので、買い物に出発できるのは夕方がほとんどだ。夕方5時ごろになると仕事帰りの買い物のラッシュに巻き込まれるので、早く出られるように心掛けている。とはいっても、日本のまったく動けなくなるような渋滞と比べたら、これくらいの渋滞なんて渋滞と呼んではいけないのかもしれない。■

 

*10月12日(土曜日)に、レース名「第一回 Grand Prix de Nagaragawa (第一回グランプリ長良川)」を開催いたします。

本場の選手のように、集団からアタックして抜け出すことが出来るようになるためのスキルを身に着け、実力アップを図りたい方向けのレースです。積極的に動きたい選手、レースでアタックしてみたい選手、レースを練習の場として活用したい選手は、ぜひ奮ってご参加ください。

COUPE DE AACAの公式HP
http://banbanbbros.iobb.net/~kasugai_day/roadrace.html  

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https://www.facebook.com/COUPE.DE.AACA

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COUPE DE AACAの申込ページ
http://www.jitetore.jp/contents/fast/event/201309042000.html#moushikomi

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加藤康則さんの紹介

和歌山県、愛知県を中心に約20名のメンバーが所属する実業団チーム「KINAN AACA」代表。

20代前半のころエキップアサダのフランス遠征をきっかけに本場のアマチュアレースを経験し、現地のロードレースの虜に。フランスで2001~2004年の4シーズン経験。

(上)2004年、エリートレースでカテゴリー優勝した際の写真。中央、赤いウェアであごひげを生やしているのが加藤さん。右隣の赤いウェアは当時のチームメイトの宮澤崇史選手(現:サクソ-ティンコフ)、白いウェアは、新城幸也選手(現:ユーロップカー)。

現在は、会社経営とトレーニングの傍ら、本場のアマチュアレースと同じようなアグレッシブな展開のレース開催*を実現すべく奔走中。

加藤康則さんのブログ「カトー少年」
http://syounen.hatenadiary.com/

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