サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.91 オーバートレーニングに陥った時の対処方法

【立ち読み版】2013年1月29日 06:44

オーバートレーニングに陥った時の対処方法

■オーバートレーニングのサイン

慢性疲労の状態に陥ると、オーバートレーニングの指標となるサインが表れ始めます。

これらの指標には、「睡眠の質の低下」「極端な疲労感」「恒常的な筋肉痛」などがあります。これらは、指標の数や深刻度が低ければ軽微な場合もありますが、痛みが増したり、ストレスを感じる期間が長引いたりしたら、オーバートレーニングの恐れがあります。

■サインが見られた場合の対処方法

これらのサインが見られた場合は、トレーニングの負荷を減らし、十分な休養をとることが賢明です。休養によって体が負荷に適応すれば、4 週間前のトレーニングの開始時点よりも体力が向上するでしょう。このプロセスを何度か繰り返すことで、ピークに近づいていきます。

■オーバートレーニングに陥った場合の対処方法

オーバートレーニングの状態に陥った場合は、休養する以外に選択肢はありません。

オーバートレーニングの初期兆候が現れたら、48 時間しっかり休養をとり、その後、回復を目的として短めの練習を行います。練習意欲がわかない場合は、さらに48 時間休養し、その後、状態を確かめるための走行を繰り返します。

オーバートレーニングを完全に克服するには5 ~ 8 週間かかる場合もあり、その結果、体力は大きく低下してしまいます。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。