トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.55 ピークへと到達するプロセスとは?

【立ち読み版】2013年2月23日 00:55

ピークへと到達するプロセスとは?

■賢明な選手は、オーバートレーニングの一方手前でトレーニングの量を減らし、休養を増やす

体が慢性的な疲労状態に陥ると、オーバートレーニングの指標となるサインが現れるようになります。質の低い睡眠、過労、なかなか治らない筋肉痛に悩まされるようになるでしょう。最初はこのようなサインが表れる回数も少なく、程度もひどいものではないかもしれませんが、トレーニングの負荷を大幅に増やしたり、負荷をかける時間を大幅に延長したりすれば、オーバートレーニングの一方手前にいることに気づくでしょう。この時点で、トレーニングの量を減らし、休養を増やすのが、賢明な選手のすることです。

■ピークへと到達するプロセスとは?

ここでもう1回、以下の図を見てください。

4週ごとに訪れる1週間のトレーニングの負荷をどのように減らしているかがわかると思います。この回復週では、疲労状態からきわめて急速に回復すると同時に、フォーム(調子)は前よりも高いレベルにまで到達しています。体力もこの週はフォーム(調子)に近い軌道をたどります。体は積極的回復(アクティブ・リカバリー)によりトレーニングに適応します。この状態は、体力が向上し、3~4週間前のトレーニング開始レベルを超すことで明らかにわかります。体力は、4~5回このプロセスを繰り返すことによって最終的にピークへと到達するのです。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■