ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.72 生理的な疲労と神経的な疲労

【立ち読み版】2013年6月4日 06:30

生理的な疲労と神経的な疲労

■運動低下のメカニズムの原因は完全にわかっていない

疲労には、生理的なものと、神経的なものがあります。

代謝の副産物の蓄積と結び付けられる、焼けつくような感覚が強くなるか、糖質の蓄えが使い尽くされると、運動が停止し始めるか、望むレベルで筋肉の収縮を維持するのが難しくなります(コラム「乳酸」を参照)。

この運動低下のメカニズムの生理的/神経的な正確な原因が何かははっきりとはわかっておらず、現在もまだ研究が続いています。

■体に組み込まれた防衛メカニズムが原因の可能性

考えられるのは、完全にエネルギーが枯渇することや、身体を傷つけることを阻止するために、私たちの体には防衛メカニズムが組み込まれているということです。

私は、まだエネルギーが残っているにもかかわらず運動を止めてしまう選手や、逆に疲労の状態にありながら、前に進み続ける選手を見てきました。

 

※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■