LSDのトレーニング効果について(ジェスファー氏の見解)

【LSD】【冬のトレーニング】2011年12月14日 21:17

一言でLSDと言っても、その効果は広範多岐にわたりまたトレーニング方法にもかなりのバリエーションがある。今回は『Time Effective Cycling Training』の著者で「短時間・高強度トレーニング」を推奨しているジェスファー・ボンド・メデュウス氏のLSDについての見解を紹介する。

 

LSDの効果など

LSD (Long Slow Distance) は末梢適応、すなわち毛細血管密度の向上・ミオグロビンやミトコンドリアの増大・遊離脂肪酸使用率の向上・グリコーゲン貯蔵量の増大を促進する効果がある。他にもおそらく神経系にも何らかの適合が起こり走行時の効率性が向上する。ただし遅い速度域で練習した場合、VO2maxはほとんど改善しない。

■リディアード氏が推奨するlong steady state running

伝説的なランニングのコーチであるアーサー・リディアード氏はLSDの推奨者の一人だが、LSDについて「長時間一定ペースでのランニング」(long steady state running)をより推奨している。ランニングで3~4時間のLSDを行えば、確実に毛細血管の発達を促進させる効果がある。しかし、より高い有酸素運動速度域でのトレーニングと比べると、同じ効果を得るのにより長い時間練習しなければならない。プロのランナーであれば1日中練習できるので、5時間走り続けることもできるだろうが、一般人が平日に同じような練習をするのは不可能だ。「限られた時間で可能な限りよい結果を出したい人」にとって有酸素能力を向上させるベストの方法は「高い有酸素速度域でトレーニング」だといえる。

■LSDでランニングと同じ効果を出すにはより長時間乗る必要がある

LSDで注意が必要なのは、ランニングと自転車とでは運動強度がかなり違うという点だ。自転車での練習時間はランニングよりも長い。つまり3~4時間のランニングでのLSDと同じ効果を自転車で同じ効果を出すには、もっと長時間乗る必要がある。

■有酸素運動能力の向上には時間がかかる

末梢適応による持久力の向上には時間がかかるので、有酸素能力を最高に高めるには何年にもわたって継続的にトレーニングを行わなければならない。ロード・レースやマラソンの選手の中には30歳超でも活躍する選手が少なくないが、これは「有酸素運動能力の向上には時間がかかる」ことの証拠の一つといえる。

■プロは長時間走行の練習を普通に行う

基本的に末梢適応は長距離ランニングとロードバイクとで完全に同じなので、リディアード氏のトレーニング方法をサイクリングに置きかえて使う事はできる。多くのプロ選手たちが同様のトレーニングの原則を使ってすばらしい成功を収めてきた。6~8時間におよぶ長時間走行の練習は、プロ・ツアーの選手の中ではごく普通のことだ。

■選手ごとに最適なトレーニング方法を用いるほうが好ましい

最近は多くの指導者がより科学的な練習方法を用いるようになってきたが、現在でも「一定の有酸素運動のペースで長距離走行する昔ながらのLSD」を信奉しているコーチもいる。プロ選手の中には、パワーよりも「走っている時のフィーリング」の方を重視する選手もいるが、それと同じだ。そのような選手でもプロとして活躍できるのは「昔ながらのトレーニング方法」であってもそれが「高いモチベーションをもってトレーニングに打ち込めこと」に役立つからだ。エリート・レベルになると「モチベーションの高さ」がひじょうに重要になるが、パワー・トレーニングが肌に合わずモチベーションが上がらないのであれば、昔ながらの方法で練習した方がマシだということだ。ただしこれは、トレーニング内容が違ってもその効果に差はないということではない。普通は「選手ごとに個別に最適化されたトレーニング」の方が、よりよい結果につながる。

■自転車選手として確実に成功するために最良の方法

LSDは時間効率が悪い練習方法だ。しかし「自転車選手として確実に成功するために最良の方法」の一つといえる。

 

ジェスファー氏の推奨する「速く長時間走る練習方法」

ジェスファー氏の推奨するLSDはハードな有酸素運動を一定のペースで続ける内容だ。

「長くゆっくり」走るのではなく「速く一定の速度で長時間(5~7時間)走る方法」であるので正確にはLSDと違う。しかしその効果は高いという。

 

参考URL