ランス・アームストロングの身体能力の推移

【FTP・LT・VO2max】2011年12月23日 09:12

ロード・レースで速く走れるようになるには持久力の底上げが必要だが、自分のポテンシャの限界まで達するまでには少なくとも数年、普通は競技を始めてから10年程度はかかるといわれている。今回は「持久力が年単位で改善すること」の好例として、ランス・アームストロングの身体能力の推移を紹介する。

 

ランス・アームストロングの身体能力の推移

西暦 年齢 LTパワー 体重 W/kg  VO2max 出来事
1993年 21歳 342W 75kg* 4.6**78.9ml/kg/分ツールステージ優勝1回・世界選手権優勝
1994年 22歳364W75kg*4.9**74.2ml/kg/分 
1995年 23歳381W75kg*5.1**73.8ml/kg/分ツール総合36位(ステージ優勝1回)
1996年 24歳403W75kg*5.4**72.2ml/kg/分癌が判明・治療へ
1997年 25歳263W75kg*3.5**64.1ml/kg/分 
1999年 26歳416W72kg5.8**77.1ml/kg/分ツール初制覇(ステージ4勝)
2004年 31歳493W74kg6.7**83.8ml/kg/分ツール6連覇(ステージ5勝)

*1997年以前の体重は不明に付『今中大介のロードバイクテクニック』の値(ツール初制覇前の数値)を仮置き

**推定値

***最大値(2004年時点ではない可能性あり)

■LTパワーは年単位でゆっくりと向上

アームストロングのような練習量・質ともに世界最高水準であったと思われる選手でさえ、上表のデータのようにLTパワーが年単位でゆっくりと向上していることが見てとれる。LTパワーに代表される持久力の底上げで何より大切なのは、長期間にわたって十分な負荷をかけて「練習を継続すること」といわれているが、それをよく表しているといえるだろう。

 

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参考文献

  • Adviser今中大介・『今中大介のロードバイクテクニック』・P84・枻出版社
  • ランス・アームストロング, クリス・カーマイケル共著・本庄俊和訳
    『ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム』・P151・未知谷