「パワーの最大化」と「エネルギーの最大限の節約」がレースでのパフォーマンスを最大化する

【レース対策情報・レース戦術】2011年10月19日 19:05

同じ体重で出せるパワーが向上すると、走行速度は上がる。速く走れる能力が高いほどレースでは有利なので、パワーを上げることに集中してトレーニングすれば、レースで出せるパフォーマンスの上限(潜在能力≒体力)が上がるといえる。しかし優勝するのは、「最もパワーを出した選手」ではなくあくまで「最初にゴールした選手」だ。


コンスタントに優勝する選手の特徴

■勝負どころまでエネルギーを節約する

特に様々な要素が絡むロードレース(除くTT系のレース)でコンスタントに優勝する選手は、勝負どころまでなるべくエネルギーを節約するようにしていることが多い。そのために集団の中の絶妙な位置に潜み、パワーの出し方に細心の注意を払うなどさまざまな手段を駆使し ている。いわば他のどの選手よりも「楽して走る」ことに徹している。

■勝負どころで温存したエネルギーを一気に解放する

しかし一旦勝負どころに来ると、その温存したエネルギーを 一気に解放し、他のどの選手よりも高いパワーを長時間出してライバルを振るい落とす。

目標とする選手がいるのであれば、レースの時にその選手の近くで走り、注意深く観察してみるとよいだろう。きっと多くのことを学べるに違いない。

■練習での「パワーの最大化」とレースでの「エネルギーの節約の最大化」が大切

レースで好成績を出すには、地道に練習で「体力(ワット)を高めること」がいちばん重要だが、レース中に「エネルギーを最大限節約する方法を身に着けること」もひじょうに大切といえる。

 

参考文献

  • Chris Carmichael AND Jim Rutberg共著・『The Time-Crunched Cyclist』・P151~P152・Velopress