サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.65 生理学と身体能力 エコノミー(Economy)(2)

【立ち読み版】2012年12月19日 06:30

生理学と身体能力 エコノミー(Economy)(2)

■エコノミはトレーニングで高められる

LTと同様、エコノミーもトレーニングで大きく高められます。

持久力全般が高まり、自転車スキルに磨きがかかれば、エコノミーは向上していきます。冬場にペダリング・ドリルに取り組み、年間を通して技術を向上させる努力をするのが重要なのもそのためです。

■サイクリングには体力や数値だけで表せないものがある

みなさんは、これまで説明してきた4つの基本要素(有酸素運動能力・LT・有酸素性運動閾値・エコノミー)がどういうものかを詳細に調べ、定義することで、体力をかんたんに数値化できると思うかもしれません。あるいは、それによってパフォーマンスの予測や、トップ・レベルの選手を作り出すこともかんたんにできると考えるかもしれません。

幸い、そういうことはありません。世界最高レベルの科学者が、有能なサイクリスト集団を最新の実験室に集め、テストをし、体のあちこちを刺激して分析を行い、レース展開を予想することはできるでしょう。

しかし、仮にそこまで徹底して数値化を行っても、予測はまず的中しないでしょう。実験室は現実のレースとは違います。サイクリングには、科学では測れない様々な要因が存在し、数値では表せないものもあるのです。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。