トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.92 エコノミーを伸ばすための3つの原則(3) 新しいテクニックの習得にはドリル練習が必要

【立ち読み版】2013年2月23日 01:32

エコノミーを伸ばすための3つの原則(3) 新しいテクニックの習得にはドリル練習が必要

■複雑なテクニックを身につけるには?

そして、最後の原則がおそらく一番重要です。それは、複雑なテクニックを身につけるには、理想的な動作を一旦、動きやすいように細分化し、それを個別にマスターしてから徐々に複雑な動きに統合する、という原則です。つまり、新しいテクニックの習得にはドリル練習が必要だということです。

■ドリル練習で神経系を鍛える

基本的にドリル練習では、神経系を鍛えていることになります。活性化が必要な筋肉にシグナルを正確に伝達するため、ベストの伝達経路を選べるようにするのです。新しいテクニックを頻繁に用いるほど、神経系の働きが向上し、理想とする動作パターンがうまくできるようになるのです。

■経済的なテクニックを身につけるとは、脳と筋肉の間の近道を作り上げること

このプロセスは開けた土地に1本の道を作ることにたとえられます。もし大勢の人が同じ近道を頻繁に行き来すれば、そこに1本の道ができます。同じことは大学のキャンパスでも見られます。学生たちは脇に歩道があっても、そこを通らずに広々とした芝生を横切り、「経済的な」経路を作ってしまうのです。彼らは目的地までの距離を縮めるために急ごしらえの道を歩きます。運動においても同様です。より経済的なテクニックを身につけることは、脳と筋肉の間の近道を作り上げることなのです。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■