ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.50 ベーストレーニングの目標の具体例

【立ち読み版】2013年5月3日 06:30

ベーストレーニングの目標の具体例

■無酸素系に依存した運動を、有酸素系で行えるようにすることが目標

ベーストレーニングを通じて目指すべき目標は、「有酸素系の体力を向上させて、現時点では無酸素系に大きく依存して行っている運動を、主に有酸素エネルギー系を用いて行えるようになること」です。

■目標の具体例

たとえば、現時点で20mph(約32km/h)または270Wの運動を30分持続するとスローダウン/停止してしまうのであれば、目標は時速21mph(約34km/h)または290Wで30分間走り続けられるようにすることが目標になります。

この進歩の大きな要因は、有酸素系の能力の向上です。これは、エネルギー生産の要求の高まりに、有酸素系のエネルギー系で対応しやすくなったことを示唆しています。

■筋力やエネルギー効率も向上するが、まずは有酸素系の体力を高める

ベーストレーニングによって、他にも筋力やエネルギー効率が向上するので、それによって速いペースを長時間持続しやすくなりますが、有酸素系の体力を高めることで、有酸素系を主なエネルギー源とした運動を以前よりも速いペース、高いパワーで維持しやすくなります。

 

※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■