ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト【立ち読み版】vol.56 乳酸系:エネルギー供給は速いが、作り出せるエネルギー総量が少ない

【立ち読み版】2013年5月13日 06:30

乳酸系:エネルギー供給は速いが、作り出せるエネルギー総量が少ない

■無酸素系の2つのサブシステム

無酸素系には、「乳酸系」と「非乳酸系」の2つのサブシステムがあります。

■乳酸系:エネルギー供給は速いが、作り出せるエネルギー総量が少ない

乳酸系の無酸素運動は、酸素がない状態で糖質を燃料に換えることで、同じエネルギーを有酸素系よりも速く供給できます。これは、アスリートにとってよいニュースです。

しかし、よくないニュースもあります。それは、有酸素運動に比べ、同量の糖質からつくり出されるエネルギーの総量が少ないことです。つまり、無酸素系の運動では常に、限られた量しかない糖質を使うか、「マッチを燃やす」ことが必要になります。ちょうど、車のアクセルを全開にして、燃料計の針が急速に「E」に近づいていくような状態です。

 

※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■