練習できなかった場合に体力はどれくらい低下するか

【疲労・回復・睡眠】2012年6月22日 07:00

練習をしたら回復させることが重要だが、回復期間を長く取りすぎると体力は低下し過ぎてしまう。「1日練習しなければ取り戻すのに3日かかる」といって、完全休養をとるのを極端にいやがる選手も中にはいる。それでは練習しなかった場合、実際に体力にどの程度影響があるのだろうか。ジョー・フリール氏がブログの中で、研究論文を参考にしてこれらについて説明しているので紹介する。

 

3週間トレーニングをしなかった場合の生理機能への影響

コロラド・スプリングスにあるオリンピック・トレーニング・センターでランディー・ウィルバー氏が行った、3週間まったくトレーニングをしなかった場合の生理機能への影響の研究では、以下のような結果が出ている。

■3週間トレーニングをしなかった場合の生理機能への影響

生理機能 変化幅
心臓の1回拍出量 -10%
最大限より下で運動時の心拍数 +4%
血漿量 -12%
毛細血管密度 -7%
好気性(有酸素性)酵素 -29%
血中乳酸 +88%
LT(乳酸閾値) -7%
疲労するまでの時間 -10%
VO2max -8%

■有酸素運動能力は大幅に低下・無酸素運動能力は比較的長期間維持できる

たった3週間で有酸素運動にかかわる重要な指標である「LT」「VO2max」「毛細血管密度」などが軒並み大幅に低下していることがはっきりわかる。無酸素運動系の体力は比較的長期間維持できるようだが、ロード・レーサーにとって最も重要な有酸素運動能力については、残念ながら「週5日間の有酸素系の練習を2日に減らしただけで体力は顕著に低下する」との研究結果もある。またVO2maxの70%以下の強度での有酸素運動量を減らした研究でも「有酸素運動容量」「疲労困憊するまでの時間」「心臓のサイズ」が低下し、有酸素運動の体力が低下することが確認されている。

■長期間の練習中断や練習量の減少によって有酸素能力は大幅に低下する

これらの研究結果などから「長期間練習できない場合や練習量が大幅に減少した場合、有酸素能力はかなり低下してしまう」ことがわかる。シーズン中に体力が大幅に低下してしまうと、元に戻すのはかなりの時間が必要になる。

 

注意点や対策

シーズンを通して体力レベルを維持・向上させるには、体調管理や走行時の安全面に最大限の注意を払い、「風邪・病気・故障」「落車による怪我」などによる長期間の練習中断を極力避けることが、ひじょうに重要といえそうだ。また仕事などの都合で練習量が大幅に減るような場合には、従来通りの練習内容ではほぼ確実に体力が低下してしまうので、練習の質(強度)を上げるなどの対策を取る必要があるだろう。

 

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