スプリント・パワー(Power)とは、最短の時間で最大の力を発揮する能力のこと【CTB】

【期分け・練習計画】【立ち読み版】2014年10月3日 00:01

スプリント・パワー(Power)とは、最短の時間で最大の力を発揮する能力のこと

■神経系と筋肉、およびこの 2つの相互作用が影響する

スプリント・パワーとは、最短の時間で最大の力を発揮する能力のことです。スプリント・パワーは、基礎能力の「筋力」と「スピード・スキル」が組み合わさったものです。スプリント・パワーの有無は、短い上り、スプリント、急なペースアップといった局面ではっきりわかります。

三角形の「スピード・スキル」と「筋力」を土台とするスプリント・パワーには、神経系と筋肉、およびこの 2つの相互作用が影響します。神経系は適切な筋肉に適切なタイミングで信号を送り、筋肉は大きな収縮力を発揮しなければなりません。

■スプリント・パワーの強化方法

スプリント・パワーを強化するには、CP0.2(12秒)かRPE20といった短時間で全力を出し切るメニューに取り組むとよいでしょう。メニューの間には、長めの回復走を挟み、神経筋と筋肉を十分に回復させます。回復走の時間が不十分だと練習の効果が出にくくなります。スプリントの持続時間は 8~ 12秒以下と、ごく短時間にします。また、スプリント・パワーのトレーニングに心拍計は使えません。

■スプリント・パワー強化の際の注意点

疲れている時にスプリント・パワーを強化しようとするとかえって逆効果になります。スプリント・パワーのトレーニングはトレーニングの序盤に行うのがもっとも効果的です。トレーニングの序盤では、体が十分に休まっていて、神経系と筋肉の反応もよい状態にあるからです。ただし、練習の後半にスプリントの練習をしてはいけないわけではありません。これはレース中によく経験する状況であり、シーズン中のどこかで、疲れている状態でのスプリントに取り組む必要があります。しかし、シーズンのはじめにスプリント・パワーの強化に取り組む場合は、体を十分に回復させてから行います。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。