持久力のトレーニング方法 ~シーズンを通した全体の流れ~【CTB】

【期分け・練習計画】【立ち読み版】2014年10月10日 00:01

持久力のトレーニング方法 ~シーズンを通した全体の流れ~

■初冬

持久力のトレーニングでは、まず初冬にノルディック・スキーやインライン・スケートなど複数のスポーツを組み合わせた有酸素トレーニングを行います。このトレーニングで心臓、肺、血液、血管に十分な負荷をかけ、持久力を向上させます。

■冬~初春

冬が深まるにつれ、段階的に自転車を使った練習を増やし、クロス・トレーニングを減らしていきます。晩冬から初春には、最低でもシーズンに出場予定の最長のレースと同じ距離まで走行距離を伸ばします。この時点までに、スタミナを十分につけ、高強度の練習を行えるようにします。レース・シーズンが終わり基礎期が始まるまでの移行期にクロス・トレーニングに取り組んでおけば、最低限の持久力を維持できるでしょう。

■強化期

強化期では、持久力よりも強度に若干重点を置きます。レース・シーズンが始まる頃に、持久力レベルは十分なレベルに達していれば、その後はロングライドで持久力を維持していくのが一般的ですが、基礎期より頻度を減らします。これ以降は、専門能力である筋持久力、無酸素持久力、スプリント・パワーへと重点を移していきます。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。