「30-30」インターバル

【トレーニングメニュー】【レース対策情報・レース戦術】2012年1月22日 08:29

bike training tips.com には多くの練習メニューが紹介されているが、その中でもっともきついインターバルが今回紹介する「30-30」インターバルだろう。このメニューは、史上最高のタイム・トライアル・スペシャリストのクリス・ボードマンが、トラック競技のパーシュートとアワー・レコードで世界記録を出す準備期間に行った練習だという。その意味では、効果は折り紙つきといえるかも知れないが、RST方式のZ7(コーガン方式のL6上限)の高強度のインターバルを繰り返す相当にきついメニューなので、実施する場合は相当な覚悟で臨みたい。

■RST方式のパワー・トレーニング・ゾーン→リンク

 

「30-30」インターバル

■練習目的

このトレーニングは、レースで勝負のかかった重要な局面、例えば「最終局面での集団の破壊」「強烈なアタック合戦」で先頭集団に残るために必要な能力を鍛えられる。またスプリンターであれば、活性化した集団の先頭付近に残るためのよい練習になるだろう。

■概要

  • 所要時間:30~60分
  • 強度:超高強度
  • 回復:強度は高いが短時間のメニューなので、元気な状態で取り組めばそれほど回復に長い時間はかからない
  • 場所:必ずローラーなどを使って室内で行う
  • 時期:レースに備える「ピーク期間」に行う
  • トレーニング・ゾーン
    • RST方式:Z7(MAPの110%)
    • コーガン方式:L6(FTPの150%)

■ウォーミングアップ

メイン・メニューはダッシュから始まるので、ウォーミング・アップは入念に行う。

■メイン・メニュー:最長56分

  1. まず30秒間ダッシュする。
    強度は少し抑え気味のスプリントくらいで、かなりハードなペースで追い込む(ペースは上記トレーニング・ゾーンをご参照)。 ダッシュは中くらいのギア比からを開始し、途中で2~3回ギアを上げる。ケイデンスは100rpm超を目指す。
  2. 30秒終了後ギアを軽くし楽に流す。
  3. これ合計8回繰り返して1セットとする(計8分間:30秒ダッシュ×8回・レスト30秒×8回)。
  4. 1セット終了後、8分間楽に流す。
  5. これを最大4セット行う。

■注意事項

  • このインターバルは、じわじわと身体を酸欠状態に追いこむ内容なので、だんだん脳が酸欠状態になり意識が朦朧としてくる。外の実走で行うと危険を伴うので、室内で行うことを強くおすすめする。
  • 最初の10秒はサドルから腰を上げてケイデンスを上げ、次の10秒は高ケイデンスを維持するのに集中し、最後の10秒はひたすら耐えるようなイメージで行う。
  • 回復走中は、回復に専念する。LTインターバルのように回復走を「少しきつめの耐久走ペース」で維持する必要はない。ただしペダルは回し続けること。軽いギアに落としケイデンスを高めに保ちつつ、FTPの50%程度の軽い負荷でくるくる回す。

このインターバルはひじょうにきついので、ダッシュ中は「30秒がとてつもなく長く」思え、回復走中は「30秒があまりにも短く」感じられるという不思議な感覚を味わうかも知れない。

 

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