ゴール近くでスプリンターと一騎打ちになった時の対抗策

【レース対策情報・レース戦術】2012年8月8日 07:00

ゴール近くまで首尾よく逃げることができたものの、最後に残った相手が自分よりもスプリントが得意な場合、普通にゴール・スプリントをしてもまず勝ち目がないだろう。しかし、もしまだゴールまでそれなりの距離が残っているならば、勝ち目はあるかも知れない。今回は『勝つための自転車レーステクニック』を参考に「ゴール近くでスプリンターと一騎打ちになった時の対抗策」を紹介する。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2012.03.13の記事です)■

 

ゴール近くでスプリンターと一騎打ちになった時の対抗策

■自分のスタミナを使って、相手のスプリント能力を弱める

スプリンターが真価を発揮するのは、極力足を残しておきゴール直前(約200mなど)でそのパワーを解き放った時といえる。しかしそのような大きなパワーは何度も繰り返しは出せないことが多い。

そこで、自分の持久力(もしくは疲労抵抗力)を活かして、スプリンターにゴールまでに何度も大きなパワーを出させて、足を削ってしまう、という方法が考えられる。いわば自分のスタミナを使って、相手のスプリント能力を弱める戦術といえる。

この戦術は、スプリンターがスタミナにもひじょうに優れている場合は、効果がない可能性もある。しかし「ゴール・スプリントになれば勝ち目がない」とわかっている場合は、試してみる価値はあるだろう。

■スプリンターの後方から繰り返しアタックをかける

具体的には、まずスプリンターの後ろにつき自分の姿がスプリンターの視界から消えた瞬間に、できる限り強烈なアタックをかける。この時、なるべくドラフティングをされないように、走行ラインを変えるなどした方がよいだろう。スプリンターが追ってきたならば、次のチャンスに、また同じようにアタックする。

■他の選手と交互にアタックをかけ、スプリンターに追わせる

一騎打ちではなく、他にも複数の選手がいる場合はどうしたらよいだろうか。もし「スプリンターを振るい落とすこと」を目的に協調を取れる選手がいれば、「交互にアタックをかけスプリンターに追わせる(そして残る選手はスプリンターの後ろにつく)」方法がある。これを繰り返せば、ゴール・スプリント開始までに、スプリンターの足をかなり削ることができるだろう。

 

参考文献

  • E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P133~134・並木書房