ローラー用・ディセンディング・ピラミッド・インターバル(逆ピラミッド・インターバル)

【トレーニングメニュー】2012年6月1日 07:00

インターバル・トレーニングのメニューは、ある一定の強度と持続時間を何度も繰り返すパターンが多い。しかし回数が進むにつれて持続時間を短くすることで、練習全体を通して高い強度を保つ(=練習の質を高く保つ)ディセンディング・インターバル(漸減タイプのインターバル)も効果的な練習メニューのひとつだ。今回は『 WORKOUTS -IN A BINDER- For Indoor Cycling』などを参考に、ローラー用のディセンディング・ピラミッド・インターバル(逆ピラミッド・インターバル)を紹介する。

 

ローラー用のディセンディング・ピラミッド・インターバル(逆ピラミッド・インターバル)

■ウォーミングアップ:15分

90rpm程度で5分間軽く流す。続いて5分間、30秒ごとにケイデンスを100rpm→80rpm→100rpm→80rpmと交互に変える。次に95rpm超で5分間軽めに流す。

■メインメニュー:20分30秒

  1. 最初のインターバルは6分で、最初~5分30秒まではCP12*(12分間維持できる最大のパワー)を維持し、ラスト30秒で全力を出し切る。
  2. 3分間、回復走を挟む。
  3. 2本目のインターバルは5分で、最初~4分30秒まではCP12を維持し、ラスト30秒で全力を出し切る。
  4. 2分30秒の回復走を挟む。
  5. 最後のインターバルは4分で、最初~3分30秒までCP12を維持し、ラスト30秒で全力を出し切る。
*CP12の調べ方
  • 3~5%程度の一定の勾配で舗装状態がよく交通量の少ない峠で、12分TTを行う(最初~4分は抑え目に入り、続く5~8分でハードなペースに上げる。ラスト3分の9~12分は「かなりきつい」ペースに上げて維持し、ラスト1分で全力を出し切る)。
  • GoldenCheetahなどのパワー・データ分析ソフトで12分のベスト・パワーを確認する。

■クールダウン:5分

5分間楽に流してクールダウンをして終了する。

■強化期間(ビルド・ピリオド)に行うのがベストのきついメニュー

このメニューは徐々にインターバルの時間が短くなっていくので、一見すると「楽なのでは?」と思えるかも知れない。しかし回復走の時間がインターバルの半分しかなく、またインターバルのラスト30秒に全力走が組み込まれているので、RPE(主観的運動強度)は15~18(きつい~かなりきつい)に達する「追い込む系」の練習メニュー。取り組む時期は、重要レースに向けて体力向上を図る「強化期間(ビルド・ピリオド)」がベストだろう。

 

参考文献

  • Dirk Friel & Wes Hobson・『WORKOUTS -IN A BINDER- For Indoor Cycling』・P62・velopress
  • THOMAS CHAPPLE・『BASE BUILDING for CYCLISTS』・P56~57・velopress