サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.69 トレーニング負荷 量(volume)・負荷(workload)・強度(intensity)(1)

【立ち読み版】2012年12月25日 06:30

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トレーニング負荷 量(volume)・負荷(workload)・強度(intensity)(1)

■トレーニング「量」とは

頻度と時間はかんたんに数値化できるので、それらの数値を練習日誌に記録することが多いかと思います。例えば、先週は7回走り、トータルで14時間の練習をしたといった具合です。

ただし、これは練習の1つの側面、つまり「量」に過ぎません。「量」は「頻度」と「時間」の組み合わせであり、たしかに練習内容を表してはいますが、トレーニングで体にかかったストレスが正確に反映されていません。

■トレーニング「負荷」とは

トレーニング内容が正確に反映しているのは「負荷」です。これは「量」と「強度」の組み合わせによって表されるもので、各セッションに投じた労力やパワーを示し、体にかかったストレスの度合いを正確に表せます。

■「強度」を数値化する方法

普通のサイクリストにとっては、練習の「頻度」や「時間」と同じように「強度」を数値化するのはかんたんではありません。「強度」を数値化する方法の1つは、各セッションの終了時に、平均的な「努力値」を記録するというものです。「努力値」は1から10で表わし、1がかなり軽く、10がレース並みのハードさを表します。

■「負荷」を数値化する方法

この努力値をトレーニングの時間(分)数に掛けると、「負荷」を数値化できます。

たとえば、練習で60分間走行したとします。これにはウォーミングアップと、高強度での数回のヒルクライム、クールダウンが含まれます。この練習全体の平均的な「努力値」を7と設定したとすると、「負荷」は420です(「努力値」7×「時間」60分)。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。