トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.45 トレーニング過剰で失敗するよりは、トレーニング不足で失敗するほうが、まだよい

【立ち読み版】2013年2月23日 00:45

トレーニング過剰で失敗するよりは、トレーニング不足で失敗するほうが、まだよい

■オーバートレーニングは何としても避けなければいけない

私はこの後彼のコーチを引き受けるようになり、彼がプロの世界から引退するまでの2年間指導を続けましが、この間、彼はさらに大きな大会で何度も優勝しました。あのオーバートレーニングの一件の後、前とはまったく別のアスリートになった、ということを、彼はよく言っていました。以前は簡単だと思っていたようなボリュームと強度ではトレーニングができなくなったというのです。彼は自分の身体機能の何かがあの春に変わったと信じていました。彼はおそらく正しかったと思います。オーバートレーニングについてはまだ不明な点がたくさんあります。オーバートレーニングがホルモン分泌異常を引き起こし、これが不可逆的な内分泌機能障害につながっているとも考えられますが、確かなことは、わかっていません。

結論として言えることは、オーバートレーニングは何としても避けなければいけない、ということです。わずか2~3週間でも体内には大量のストレスホルモンが分泌されます。これには、長期にわたり体を衰弱させる作用があると考えられます。セルフ・コーチングで失敗をするにしても、トレーニング過剰で失敗するよりは、トレーニング不足で失敗するほうが、まだよいのです。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■