トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.37 回復の時間をとらないトレーニングは間違っている

【立ち読み版】2013年2月23日 00:37

回復の時間をとらないトレーニングは間違っている

 

私が学んだのは、必要なときには一歩引く、ということだ。──マーク・アレン

 

■回復をなおざりにした結果バランスを崩すと、体はほぼ確実に不調をきたす

ものごとには、バランスが必要です。これは、紛れもない事実です。負荷の高い運動の後は、負荷の低い運動を、また、速い運動の後は、遅い運動を行わなければなりません。自分が絶好調だ、誰にも負けないという気持ちになるときには、その過信からすべてが水泡に帰す危険性もあります。そして、回復をなおざりにした結果バランスを崩すと、体はほぼ確実に不調をきたします。そうなると、トレーニングの一貫性が失われ体力は落ちてしまいます。

■トレーニングの目的は慢性的に疲労することではない

トレーニングの目的は、慢性的に疲労することではありません。トレーニング中毒の選手が信じていることとは違うのです。トレーニングの量や強度が増せば、疲労度が高まるのは当たり前のことですが、体力を向上させ続けるためには頻繁に疲労を抜かなければなりません。回復の時間をとらないトレーニングは間違っています。

体力の向上は、練習した量ではなく、精神的・肉体的回復能力によってもたらされます。最も速く回復できる選手は最も質の高い練習をこなすことができます。疲労から素早く回復することが重要なのです。メダルを手にすることのできる選手とは、この原理をよく理解し、はやる心を抑え、強度のバランスを賢くとることのできる選手です。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■