トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.73 練習やレースの後、最初の30分間は、エネルギー源を吸収・補充する能力が、通常の数倍にも高まる

【立ち読み版】2013年2月23日 01:13

練習やレースの後、最初の30分間は、エネルギー源を吸収・補充する能力が、通常の数倍にも高まる

■練習やレースを終えた直後にまずすべきこと

回復促進のため、練習やレースを終えた直後にまずすべきことは、エネルギー源として消費した糖質とタンパク質を補給することです。長時間のきつい練習やレースでは、体内に蓄えられていた糖質由来のエネルギー源であるグリコーゲンがほぼ枯渇し、筋肉に結合したタンパク質も4~5g消費されることがあります。練習やレースの後、最初の30分間は、これらのエネルギー源を吸収・補充する体の能力が、通常の数倍にも高まります。

■練習後には回復のためのドリンクを飲む

この時間に飲むドリンクは、練習やレースの時と同じものではよくありません。運動後のドリンクとしては効果が薄く、タンパク質が含まれていないからです。回復を目的としたものを摂りましょう。回復のためのドリンクはいくつか市販されています。自分の好みの味で、タンパク質が15~20g、糖質が80g程度摂れるものなら、回復のドリンクとしては合格です。トライアスリートが好む昔からの定番はチョコレートミルクです。

■「自家製回復ドリンク」の作り方

O.アンダーソン博士は『Running ResearchNews』誌上で「自家製回復ドリンク」をすすめています。これは470ccのスキムミルクにつき大さじ5杯のグラニュー糖を混ぜたものです。高GI値の炭水化物、たとえばタンパク質の入っていない甘いドリンクなどは摂らないほうがよいでしょう(GI値については16章を参照)。研究者のなかには、こうした食品は成長ホルモンの分泌を抑制し、ひいては回復プロセスを遅らせると考える人もいます。何を選ぶにせよ、上に挙げた要素を練習後30分以内ですべて摂りましょう。

■短期的な回復の持続時間

短期的な回復は練習時間と同じ時間だけ持続します。ですから強度の高い練習を2時間行ったとしても、短期的回復も2時間続くことになります。この時間は努めて炭水化物を十分にとることです。果物のような GI値が中程度のものを、デンプンのような高 GI値のものと一緒に摂るのが理想的です。野菜は血液の酸性度を下げるということが明らかになっています。ですから、デンプン質の根菜であるジャガイモは回復食としてはほぼ完璧と言えます。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■