[ PR ] サイクリストとして知っておきたい、FTPを上げる方法 ~FTPを着実に上げていく最も確実な方法は?~ [ sponsored by Pioneer ]

【FTP・LT・VO2max】2017年9月8日 02:28

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ほとんどのサイクリング・イベントで生理学的に最も重要になるのが、閾値パワー(FTP)です。もし閾値パワーで大きなワットを出せる能力があれば、選手としてよい成績を残せるでしょう。スプリンター、クライマー、タイム・トライアル選手、どの選手も高い閾値パワーが必要です。閾値パワーでの高いパフォーマンスは、レースで勝つ必須条件といえます。

高度に鍛え上げられた有酸素システムを備えていても、勝てるかどうか確信が持てないかもしれません。確かにレース結果には、戦術、テクニック、VO2max、スプリント・パワーも関係します。ただ、閾値パワーが高ければ、ゴールにたどり着く前に集団から千切れてしまうことはなくなるでしょう。

閾値パワーについての用語はひじょうにたくさんあります。

CP(クリティカル・パワー)、FTP(機能的作業閾値パワー)、AT(無酸素性作業閾値)、LT(乳酸閾値)等々。これらのほとんどは、よくご存知の状況を表しています。それは、ある一定のスピードでおそらく1時間程度走れるものの、もしそれよりも少しでもスピードを上げれば数分のうちに足がパンパンになってしまう、というものです。

これらの用語の名称は、単なる興味本位で決定されたのではないかとも思えます。本書では、閾値パワー・トレーニングのコンセプトについて、日々の練習で実際に使える具体例を交えながら、説明していきます。

 

■閾値パワー・トレーニングについてわかっていること

「高強度トレーニングは、運動中に乳酸の蓄積を起こさず運動を継続する能力を高める効果がある」という説は、定説としてほぼ確立しています。閾値パワーの高さは、持久系スポーツにおけるパフォーマンスの重要な決定要因となることが多いといえます。だからこそ皆さんもこの章を読み飛ばしていないのでしょう。閾値パワーを上げることができれば、よりよい持久系アスリートになれるので、その方法は知っておくべきだといえます。

 

■閾値パワー・トレーニングに最適な強度は?

多くのコーチが、閾値パワーの向上を目的にしたトレーニング方法を開発してきました。閾値パワー付近の強度でのインターバルは、ひじょうによくしられており、時間効率もよいといえます。しかし、他にも有酸素エンジンを強化する練習方法はあります。

ほとんどのトレーニング計画は、閾値パワーを向上させるために、以下のメニューを組み合わせて作成されています。

  • VO2maxインターバル
  • 閾値パワー・インターバル
  • 閾値下パワー・インターバル
  • 耐久走

これらのトレーニング強度はかなり違いますが、全て、毛細血管密度の向上、ミオグロビンの増加、ミトコンドリアの増加、エネルギー源としての遊離脂肪酸利用率の向上、グリコーゲン貯蔵量の増大といった、末梢適応に効果があります。

 

■インターバル・トレーニングは必要?

閾値パワーを強化する方法には、多くのコンセプトやアイデアがあります。ほとんどのコーチは、自分なりの方法を持っています。本書で紹介するトレーニングの原則は、VO2maxとインターバル・トレーニングといった高強度でのトレーニング方法に重点を置いたものです。この方法は、他の有名な自転車のコーチとは少し違っています(普通は、上記の練習強度を組み合わせることが多いといえます)。

コーチによっては、ある特定の強度を好む場合もあり、またほとんど同じ強度であるにも関わらず、コーチによって用語が違う場合もあります。才能のある選手が、上記の4つのトレーニング強度を用いて、必要な持続時間で練習に取り組めば、プロ選手になれるだけの身体能力を身に付けることができるでしょう。賛否両論があるかもしれませんが、私は次のように考えています。ロード・レースというスポーツは、多くのコーチが考えているように科学的なものではありません。ハードな練習をする才能のある選手は、ほとんどの場合、他の選手よりも速いのです。

これが、過去にコーチに指導を受けたことがないにも関わらず、プロになれる選手がいる理由だと思います。そのような選手は、ハードにトレーニングし、適切な食事や休息を取っており、また当然ながら生まれながらにして才能に恵まれているのです。そういった選手の練習内容は、本書で紹介するトレーニング計画よりも、LSDが多く組み込まれているでしょう。そのような選手(少なくともそういった選手の一部)が、相当に強くなれることは認めます。

そういった選手がそれぞれの生理学的な潜在能力の限界にまで達しているのかは確信を持てませんが、おそらくベスト・パフォーマンスの98%程度までは到達していると思います。それだけでも才能のあるプロになるのには十分なのです。

このように、閾値パワーを向上させる練習強度には多くの種類があり、閾値パワー・インターバルだけが重要というわけではありません。

 

■閾値パワー・トレーニング成功のための本当の秘訣

持久力を高めるための秘訣は、「継続」です。ハードに、集中して、継続的に練習しなければなりません。たったの1週間、1ヶ月、1年では不十分です。持久系のアスリートとしてのポテンシャルを完全に開花させるために必要な持久力を養成するには、数年以上にわたって継続的に練習する必要があるのです。

ほとんどのプロ選手には「10年以上にわたって真剣に持久力トレーニングを積んできた」という経歴があります。つまり、プロ選手が皆さんよりも強い最大の理由は「長年にわたってずっとトレーニングを継続してきたから」なのです。

 

■閾値パワーを上げる方法

たくさんのサイクリストが、目標達成に役立つ手っ取り早い方法をインターネットで探しています。しかし今のところは、記録的な速さで皆さんのポテンシャルを限界まで引き出すような合法的な手段は存在しません。

これから説明するトレーニング方法を実践すれば、閾値パワーを上げることができるでしょう。しかし、すばらしい結果が出るまでには、長期間にわたる継続的な努力が必要になります。ヒル・クライム能力は、本書で扱うテーマのひとつですが、その強化のためには「可能な限り閾値パワーのパワー・ウェイト・レシオを高める努力」が必要になります。

本気でサイクリングのトレーニングに取り組むのであれば、練習の際にパワー・メーターと心拍計を使うことを強くおすすめします。しかし、パワー・メーターや心拍計がなくても本書で紹介する指針に則ってサイクリング・トレーニング・プログラムに取り組むことは可能です。パワー・メーターを持っていないのであれば、せめて性能のよいエルゴメーター・バイクを使うことを検討してください(最初のテストで使用します)。

強度が高くなればなるほど、パワー・メーターを使用するメリットが大きくなります。閾値パワーを超えると、適切な強度でペース配分をするのがひじょうに難しくなります。そのような高い強度では、パワー・メーターがトレーニング機材として適しています。主にLSDで使うのであれば、心拍計でも十分効果的な練習ができるので、パワー・メーターを使う必要はないでしょう。

 

■VO2maxインターバル

VO2max近くでのインターバルは、有酸素システムに刺激を加える効果があります。VO2maxインターバルは、VO2maxパワーの向上だけでなく、閾値パワーの大幅な向上にもつながります。時間効率のよいインターバル・トレーニング方法を探しているのであれば、絶対にこういったインターバルを練習に組み込むべきです。

シーズン中、通常、私はほとんどの期間でVO2maxインターバルを用いています。というのも私が指導しているのはエリート選手であり、さらに実力アップを図るには酸素消費量の限界近くでトレーニングする必要があるからです。VO2maxは、唯一の最重要パワー出力ではないものの、鍛えるだけの価値があります。なぜなら、VO2maxトレーニングに対する生理的な適応は、閾値パワーでのトレーニングのような、より低い強度でのトレーニングと同じだからです。最大の違いは、同じ効果を出すのに必要な時間です。

 

「閾値パワーは、VO2maxに対する割合でしかありません。つまり、VO2max強度では、閾値パワー・インターバルで鍛えることができる生理的な能力にも刺激を加えることができるのです」

 

このインターバルの最後には、最大心拍数の95%以上まで上がるはずです。パワー・メーターを持っているのであれば、FTPの120%か、5分間の最大パワーを目標にするとよいでしょう。

VO2maxトレーニングについてもっとしりたいのであれば、本書の後半のVO2maxブースター・プログラムをお読みください。

 

「VO2maxよりも低い強度で練習するのであれば、有酸素系のトレーニング効率は悪くなります」

 

■閾値パワー・インターバル

閾値パワー・インターバル・トレーニングは、おそらく最も一般的な閾値パワー向上のためのトレーニング方法でしょう。このトレーニング方法の原理は、閾値パワーや閾値心拍数を調べ、それと同じ強度でインターバルを行うというものです。この場合、閾値を調べるためにテストかタイム・トライアルを行う必要があります。

閾値パワー・インターバルでいちばん難しいのが、ずっと正しい強度を維持することです。最初に上げ過ぎると、最後まで正しい強度を維持できなくなります。強度が低過ぎると、体の適応が起こらないでしょう。

閾値パワー・インターバルはハードですが、強固な有酸素系のエンジンを作り上げるのに、ひじょうに効果的です。また、タイム・トライアルや逃げの時のペーシングにも役立ちます。

 

例:3×(12分+6分) 閾値パワー/回復走

目標心拍数は88~92%の範囲内としますが、1時間走テストの結果やレースにおける実際のパフォーマンスに応じて調整してください。ここで示した目標心拍数よりも高い割合(%)を維持できるサイクリストもいますが、人によっては下限値すら維持するのが無理な場合もあるでしょう。ベストの方法は、40kmTTを行うか、クリテリウムに出場することです。パワー・メーターがあれば、これらのパワー・データから、FTPを推定できます。

 

■閾値下パワー・インターバル

VO2maxインターバルと閾値パワー・インターバルは、パフォーマンスを向上させるうえで、最も時間効率がよいトレーニング方法です。しかし最大の問題があります。それは、「高強度インターバル・トレーニングの効果があるのは、メニューをしっかりやり切った場合のみだ」ということです。練習中に正しい強度を維持できなかった場合は、効果が低くなります。この場合、強度は低くても成功率が高い方法でトレーニングした方が、練習効果は高くなるでしょう。私自身の経験としては、高強度インターバル・トレーニングの成功率は、最大下強度のインターバルよりも低いと思います。しかし閾値下パワー・インターバルは、適切な量さえこなせば、大きな効果が期待できます。「この強度では無酸素域に入ることなく、また、かなり高い酸素消費量でトレーニングを行うことができるので、生理学的なスイート・スポットといえる」との主張もあります。閾値下パワーでトレーニングすれば、有酸素システムを大幅に向上させることができるでしょう(ただし、無酸素系のパフォーマンスは、ほとんど変わらないでしょう)。

 

例:4×15分 閾値パワーの少し下

心拍計を使う場合は、閾値心拍数から5~10bpm下で維持します。パワー・メーターを使う場合は、FTPの90~95%で行うとよいでしょう。

 

■持久力トレーニング

閾値下パワー・インターバルに取り組むことで有酸素システムを強化できますが、それよりも強度が低い持久力トレーニングでも同じように強化することができます。ただし同じだけ進歩するには、より長時間の練習が必要になります。

大部分の人が「そんなの無理だ」と思うかもしれませんが、「LSDに数年間取り組めば、すばらしい選手になれる」ということは頭の片隅に置いておきましょう。

 

例:4~8時間 中~閾値下パワーの下限

ペース調整はパワー・メーターや心拍計でもできますが、「快適に走れているか」という感覚によって評価した方がよい場合もあります。

 

■閾値パワーを向上させるベストの練習方法は?

閾値パワーを向上させる方法には何通りもあります。鍵となるのは、以下の点です。

  • トレーニング負荷(時間×強度)
  • インターバルの成功率
  • 継続性

誰にでもあてはまる公式というものはありません。私の個人的な信条としては、高度にトレーニングを積んで来たサイクリスト(プロやエリート選手)が、生理学的なポテンシャルの限界まで能力を引き出そうとするのであれば、VO2maxと閾値パワーでのインターバルを組み合わせてトレーニングする必要があると思っています。

ただし、実際にはインターバルの成功率も、かなり重要になります。もしこれらのインターバルをやり遂げられない場合が多いようであれば、閾値下パワーや耐久走ペースでのトレーニングに取り組んだ方がよいでしょう。

閾値下パワー・インターバルを、「閾値パワーを向上させるうえで、いちばん確実な方法」として紹介するのは、単純にインターバルの成功率が高いからです。

 

「閾値パワーを着実に上げていく最も確実な方法は、閾値下パワーでのインターバルにいちばん多く取り組みつつ、4種類の方法全てを組み合わせて行うことです」

 

[ この記事は、Pioneer Corporation のスポンサーによるものです ]

 

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  • 記事出典:ジェスパー・ボンド・メデュス著・高嶋竜太郎訳・『短時間 効率的サイクリング・トレーニング』(OVERLANDER株式会社)の抜粋
    ※本件記事用に、本文を一部加筆修正しています。