レベル別の年間練習量のガイドライン

【期分け・練習計画】2012年6月21日 07:00

ロード・レースは持久力の必要性が高い競技だが、持久力の向上には通常は長い期間が必要になるため、「高いレベルに到達するにはより多くの練習量が必要である」といわれている。それでは目指す競技レベルに達すためには、どの程度練習すればよいのだろうか。今回はその参考になる目安として、『Cycling FAST』を参考に「レベル別の年間練習量のガイドライン」を紹介する。

 

レベル別の年間練習量のガイドライン

以下の表では、「初心者」~「世界レベルのプロ」といった競技レベル別の練習量の目安が、「時間」「距離」「獲得標高」の3種類の指標で示されている。

■年間練習量のガイドライン

レベル 時間 距離 獲得標高
世界レベルのプロ 1,800時間 35,000km 457,000m
国内プロ 1,500時間 29,000km 381,000m
セミプロ 1,300時間 24,000km 304,000m
上級者 1,000時間 19,000km 228,000m
中級者 700時間 14,000km 152,000m
初心者 400時間 8,000km 107,000m

 

レベル別の練習量の目安・「月間」と「週間」の単純平均

また年間の数値を単純に12か月で割った「月間」数値と、52週間で割った「週間」数値は以下の通り。

■月間の単純平均

レベル 時間 距離 獲得標高
世界レベルのプロ 150時間 2,917km 38,083m
国内プロ 125時間 2,417km 31,750m
セミプロ 108時間 2,000km 25,333m
上級者 83時間 1,583km 19,000m
中級者 58時間 1,167km 12,667m
初心者 33時間 667km 8,917m

■週間の単純平均

レベル 時間 距離 獲得標高
世界レベルのプロ 35時間 673km 8,788m
国内プロ 29時間 558km 7,327m
セミプロ 25時間 462km 5,846m
上級者 19時間 365km 4,385m
中級者 13時間 269km 2,923m
初心者 8時間 154km 2,058m

 

各期間ごとの「練習量」と「練習強度」の関係図

上記の「月間」と「週間」の数字はあくまで単純平均なので、実際にはピリオダイゼーションの各期間ごとに「練習強度」に応じて「練習量」を増減させる必要がある。以下の図は、年に2回ピークをつける場合の「練習量」と「練習強度」の変化させ方のイメージを示している。練習計画を立てるさいの参考になるだろう。

 

注意点

■練習効果には個人差がある

上記のガイドラインはあくまで一般的な目安であり、絶対的なものではない点は注意が必要だ。競技経験・年齢・素質・現在の体力レベル・回復力・モチベーションなどによって、同じ練習量をこなしたとしても、その効果には個人差があるのが普通なので、大まかな目安として参考にするのが現実的だろう。

■練習量が自己目的化しないように注意が必要

「練習量」を決めると、それが自己目的化してしまうことがある。もっとも重要なのは「どのようにして目標を達成するか」であり、「どのくらい練習するか」はその手段のひとつでしかない。その意味では、「練習量」を達成するために体の声を無視して練習してオーバートレーニングに陥ったりしないように、注意したほうがよいだろう。

■短時間・高強度で練習している場合は当てはまらない可能性がある

ここで示されている「時間」「距離」「獲得標高」といった指標はかなり参考になるものの、残念ながら限界もある。特に平日はローラー練で短時間・高強度に集中して練習しているような場合には、単純に上記のような指標では、本当の練習度合が正確にわからないと思われる。この場合は、運動強度と練習量を総合した指標であるTSSでの管理が適していると思われるが、現段階ではレベル別のTSSのガイドラインは確認できていない。今後、よりパワー・トレーニングの研究が進めば、TSSをベースとしたより精緻なレベル別の目安が示される可能性があるだろう。

 

参考文献

  • Robert Panzera著・『Cycling FAST』・P68・Human Kinetics
  • ジョー・フリール著・児島修訳・『サイクリスト・トレーニング・バイブル』・P161・OVERLANDER株式会社
  • ハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士・『パワー・トレーニング・バイブル』・P202・OVERLANDER株式会社