トライアスリート・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.106 固定ギアライディング

【立ち読み版】2013年2月23日 01:46

固定ギアライディング

■ペダリングテクニックを磨くのに有効

今まで何十年も、ロードレーサーはペダリングテクニックを磨くために、固定ギアと呼ばれる、フリーホイールのないシングルスピードの自転車でトレーニングを行ってきました。このような自転車では惰性で進むことができないため、脚は常に高いケイデンスで円運動を続け(100rpm以上)、さらに、ストロークのある局面から次の局面へいつ移行するのか、筋肉に覚えさせなくてはなりません。固定ギアでの走行を4~5週間続けると、自転車と格闘しなくなるので、ストロークの局面の移行も滑らかになります。

■固定ギアライディング時の注意点

固定ギアについては、あらかじめ注意しておかなければならないことがあります。それは、固定ギア自転車は乗り始めは危険だということです。この自転車では今までの習慣を変えなければならないのです。たとえばスタンディングやシッティングに移行する際、一旦ペダリングを止めなければなりません。これ以外にも、ターンをする場合のペダリングや脚が動き続けている場合の止まり方も学ばなければなりません。ですから、固定ギア自転車に乗る場合、最初の何回かはインドア・トレーナーで乗るのがよいでしょう。そうすれば敢えて危険なロードに出て短時間走行しなくても、固定ギアがどのようなものか、感触を得ることができます。固定ギアライディングを行うときは、毎回必ず細心の注意を払い、平坦な場所でゆっくり走行しましょう。

■固定ギア自転車のセット方法や代替手段

自転車のフレームを余分に持っていれば、バイクショップで固定ギア自転車にセットしてもらえる場合もあります。もしくは、ロードで使えるよう、トラックレーサーを注文し、ブレーキを取り付けてくれることもあるでしょう。

これよりもいくらか安全な方法もあります。それはフィットネスクラブのスピニングのレッスンで使われるエアロバイクに乗ることです。このようなスピニングバイクの大きなフライホイールは固定ギア自転車に乗ったときと同様の効果があります。

 

※この記事は、『トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE TRIATHLETE'S TRAINING BIBLE 3RD EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『トライアスリート・トレーニング・バイブル』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』の著者であるジョー・フリール氏による、トライアスロン教本の世界的ベストセラーの日本語版です。■