[ PR ] 持久系競技のアスリートとして知っておきたい、エコノミーを改善する方法 ~VO2maxが低くても良い成績を収められるようになるためのアプローチとは?~ [ sponsored by Pioneer ]

【FTP・LT・VO2max】【立ち読み版】2019年7月9日 00:15

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■最も経済的なランナー

最大酸素摂取量(VO2max)が低くても、エコノミーが優れていれば、良い成績を収められるということはあり得ます。

1970年代のマラソンランナー、フランク・ショーターはその良い例です。ショーターのVO2maxは72であったと言われています。この値は世界クラスの男子選手としては、かなり低い値です。男子のトップランナーはほとんどが70台後半であり、80台あるいはそれ以上の人もいます。

しかしショーターは、1972年のオリンピックで金メダルを獲得し、1976年のオリンピックでも銀メダルに輝きました(しかもその時に優勝した東ドイツのワルデマール・チェルピンスキーは、のちにドーピングが疑われました。ですからショーターには金メダルを獲得する力はおそらくあったはずです)。1971年から1976年まで、ショーターは毎年マラソン世界ランキングにおいて1位ないし2位の位置にいました。彼はその競技人生において、ビッグレースを何度も制しました。そのなかには、当時世界で最も格式の高い大会と位置づけられていた福岡国際マラソンの4連覇も含まれます。

ショーターは、研究対象となったランナーのなかで、最も経済的なランナーのひとりです。彼はその「低い」VO2maxをフルに使うことができました。とにかく、エネルギーをまったく無駄にしなかったからです。

 

■遺伝とエコノミー

最大酸素摂取量に遺伝的な要素があるのと同じように、エコノミーもある程度、両親によって決まってしまう面があります。 たとえば、背が高く長い腕と大きな手足を持っていれば、水泳のエコノミーが良くなることははっきりしています(マイケル・フェルプスを思い浮かべてください)。自転車では、大腿骨が足全体に対して長いこと、ランニングでは小柄かつ頚骨の長いこと(ランニング界を席巻しているケニア人のように)が、良いエコノミーをもたらします。

さらに持久系競技では、一般的に言って遅筋線維の割合が多いとエコノミーはよくなります。筋細胞内でエネルギーを生み出す、小さな発電所であるミトコンドリアの数も重要です。

これらはすべて、自分でコントロールすることがほとんど、あるいはまったくできないことですが、1分間あたりの酸素消費量には大きく影響します。

 

■年齢とエコノミー

年齢もエコノミーに影響します。子供は大人ほど経済的ではありませんが、年を重ねるうちに、エコノミーは向上します。同じように、ひとつの競技のトレーニングに本気で取り組む期間が長いほど、より経済的になる確率は高くなります。その大きな理由は、エネルギーを温存するように体が適応することにあります。

ここからわかることは皆同じです。つまり、パフォーマンス予測という意味では、加齢と経験が実際にプラスに働くこともあるということです。我々シニアにとってこれは朗報です。

 

■技術とエコノミー

こうしたことを考えると、何を変えればエコノミーが改善し、1分あたりの酸素消費量が減るのでしょうか。

おそらくアスリートにいちばん共通する要素は、技術です。エネルギーの無駄使いを減らすためには、動き方を変えるというのもひとつの手です。

自転車の場合は、ペダリング・ドリルに取り組み「ペダルを効率よく動かす方法」を身につけるというアプローチがあります。ペダリング解析機能を搭載したパワーメーターを利用して、リアルタイムでペダリングの状態を確認しながらドリルに取り組めば、練習効率をより高めることができるでしょう。

しかし、その手を使おうと思ったら、知っておくべきことがあります。それは、今の自分の技術をいくつか変えた場合、ある期間、効率が落ちるということです。これは、一定ペースあるいは一定パワー(単位:W)で運動している時に、通常よりも心拍数が高くなったり、いくらか呼吸が荒くなったりするというかたちで現れます。そして、新しい技術を物にするまでは、数ヶ月とは行かないまでも、数週間かかかることもあります。それをすぎれば、以前と同じ心拍数でも速くなっているはずです。

しかし、そうなるとも限りません。技術をエコノミーの指針として習得しようとする場合、ひとつはっきりしているのは、エコノミーだけではパフォーマンス向上は期待できない、ということです。エコノミーの向上を予期してアスリートにランニング技術を変えさせる研究では、パフォーマンスに何の改善も見られないことが多々あります。短期的に向上したとしても、長期的にはエコノミーが低下することもあります。 ことほどさように、エコノミーは研究者にとって、いまだに大きな謎なのです。

 

■体重・機材等とエコノミー

しかし、ほぼすべての持久系競技に共通してエコノミーにプラスとなる要素はあります。

そのうちのひとつは過剰体重を減らすこと、そして機材の軽量化です。バイオメカニクスの研究では、ランニングシューズが100g重くなるたび、ランニングに必要な酸素消費量が1~2%程度増すということが示されました。

ほかにもいくつか、競技ごとにそれぞれエコノミーを上げるものがあります。

おそらく最もよく知られているのは、自転車のタイムトライアルやトライアスロンで使うエアロバーをはじめとした、エアロダイナミック形状の機材(ホイール、ヘルメット、バイクフレームなど)でしょう。

水泳選手の場合は、肩、膝、足首の柔軟性が増すことで、エコノミーも向上します。特につま先を伸ばす能力は重要です。

おもしろいことにランナーの場合は、我々の想像とは反対に足首は柔軟でない方が、経済的な走り方になるという研究結果が出ています。ふくらはぎの筋肉にはエネルギーが蓄えられていますが、離地するごとに放り出されるエネルギー量が増えるというのが、その理由です。

 

■時間・強度・頻度とエコノミー

エコノミーに関しては、改善をもたらすと考えられる研究結果が我々の感覚とそぐわない、ということがよくあります。

トレーニングの3つ要素である時間・強度・頻度のなかで、最もエコノミーの向上につながらないと多くの人が考えているのは、時間です。疲労するまで長い時間トレーニングを行うと、技術が崩れ、その結果エコノミーが低下することも少なくありません。

頻度と強度に関しては、科学的に証明されてはいないものの、時間よりははるかに効果があると考えられます。

頻度の点では、1回の練習時間は短くても頻繁に練習することが、技術ひいてはエコノミーを向上させる方法として考えられます。たとえば、時間のないアスリートが、1週間に2時間だけトレーニングできるとしたら、エコノミーの向上を狙うには、1週間に4回、30分ずつに分けて練習を行うことです。このようなトレーニングは持久系競技には最適とは言えませんが、1時間の練習を2回に分けて行うよりは、エコノミーを早く向上させることができるでしょう。

いくつかの研究では、エコノミー向上のためには、高強度トレーニングの方が低強度トレーニングよりも効果的である、と示されています。エコノミーを向上させる(そして、それを維持させる)ためには、高強度の練習を入れながら、頻繁に練習をすることです。

 

■プライオメトリクストレーニングや筋力トレーニングとエコノミー

効果的だと思われるトレーニング方法はいくつかあります。

たとえば、プライオメトリックトレーニングを行うと、ランニングと自転車でエコノミーが向上することが示されています。 プライオメトリクストレーニングには、ジャンプ、バウンディング、ホッピングのドリルなどがあります。

従来のウエイトを使った筋力トレーニングについては、エコノミーが向上するか否か、議論が未だに分かています。私自身、筋力トレーニングはエコノミーの向上につながると考えていますが、すべてのアスリートに通用するとは思いません。

最初は筋力が十分になかったのに、冬のあいだウエイトトレーニングをしたらパフォーマンスが目覚しく向上したという選手を、私は長年にわたって数多く見てきました。ただしこの場合、筋力トレーニングとは、専門とする競技の動きを忠実に真似たものです。

 

■エコノミーにまつわる第2の謎

興味深いのは、ひじょうに高いVO2max、優れたエコノミーという、2つの要素をあわせ持ったアスリートがいないということです。少なくとも研究対象となったエリートでは、今のところ報告されていません。被験者となったアスリートは数多くいたにも関わらずです。彼らエリートも、そしておそらく我々も、優れた生理学的素質を持っているとすれば、最大酸素摂取量かもしくはエコノミーのどちらかであって、その両方ではないのです。

だからこそ、フランク・ショーターのような人がいるわけです。そしておそらくあなたもそうなのです。

この2つの体力指標のどちらかが、もう片方よりもはるかに優れているという可能性は大いにあります。

しかしその理由はわかっていません。エコノミーにまつわる、第2の謎、なのです。

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  • 参考文献:ジョー・フリール著・篠原美穂訳・『シニア・アスリート・トレーニング・バイブル(仮題・2019年発売予定)』(OVERLANDER株式会社)・本文の抜粋
    ※本件記事用に、本文を一部加筆修正しています。