楽していては絶対強くなれない

【速くなるためのヒント一覧】2012年6月5日 07:00

過去、様々なトレーニング方法が新たに開発され、科学的な手法にもとづく効率的な練習方法が開発されてきた。現在は、過去20年以上の実績がある心拍数トレーニングからパワー・トレーニングへの移行期といえるだろう。機材の高価さにも関わらず急速にパワー・トレーニングが普及してきたのは、ひとえに「速くなるのに効果的だ」と思え、実際に実績を出している選手が多いからだろう。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2011.10.29の記事です)■

 

楽していては絶対強くなれない

■パワー・トレーニングの練習効率がよい理由

パワー・トレーニングの長所のひとつは、心拍数ではわからなかった部分、「特に2分未満の高強度インターバルの負荷」を正確にモニタリングしながら実施できることや、やや長い例えば20分以上の長時間のインターバルでも一定の負荷を保てているかが正確にわかるので、強度管理がより正確になる点だ。強度管理が正確にできれば、体力アップにつながる負荷を適正にかけていくよう練習計画を立てて管理しやすくなる。そしてその計画を実行できれば、気温や体調やストレスなど様々な要因でかなり変動する心拍数を使った場合よりも、より合理的・科学的・効率的に練習できる可能性が高い。

■効率的な練習はきつい・「トレーニングはしんどい」という本質は変わらない

しかし、適正な負荷がわかり計画を立てれたとしても、それを実行するのは心拍数ベースの時よりも普通はきつくなる。というのも、人間の体は刺激に反応して適合し強くなっていくが、より効率的に強くなるにはより強い刺激が必要になるからだ。つまり効率的に強くなればなろうとするほど、練習内容はきつくなるのが普通だ。その意味で住田修さんが指摘されているように、「トレーニングはしんどい」という本質は今も昔も少しも変わっておらず、「楽していては絶対強くなれない」という事実も変わっていない、といえるだろう。

■西薗良太選手の逸話の裏側

現チーム ブリヂストン アンカー(旧東大)の西薗良太選手は、比較的短時間のパワー・トレーニングで効率的に強くなったことで有名だがそれには裏があると思われる。それは、それだけ効率的に強くなるには、短時間に凝縮してかなり高い負荷をかけていたと推測される点だ。その辛い練習を相当に強い意志と目的意識で日々やり切っていったからこそ、学生日本一などの素晴らしい結果を残せたのだろう。方法はわかったとして、それを実行しやり遂げられるかは、結局は自分次第といえそうだ。

 

参考URL

 

参考文献

  • 住田修さん・「住田道場(其の二)」・『funride(発行年月確認できず)』P79・㈱ランナーズ